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■隣近所トラブル

上手な“忍びあい”が隣人と仲良くするコツ

人は孤島に住まない以上、常に隣人という存在を無視するわけにはいきません。隣人関係をむずかしくさせるのは、他方の権利行使いかんによっては、かかわりあいを持たざるを得なくなり、必然的にどちらかが犠牲にならざるを得ないからです。法律的には、相関関係を考える上で、隣人としてどの程度まで忍べばよいかが議論されていますが、忍ぶほうの立場に立つと、腹立たしいことでしょう。

しかし、おたがいに上手に忍びあってこそ、仲よき隣人となれるのです。上手に忍びあうためには、一般的にはどの程度まで我慢されることが要求されているのか、あるいは、自分の権利行使はどこまで許されているのかを知っておくことです。本章の事例を読んで、いかに隣人との間では自己の権利が制限されているのかを知ってください。

なお、当ページでご紹介しきれない事例は、書籍「まさかのときの法律救急箱」にてご紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてください。

1 近所づきあいをうまくする方法 なにかと文句をつけたがるお隣。法律はどんな規制をしているのか?
2 道路使用のトラブル 家の前の道路に突然倉庫が。隣人の所有する私道とはいえ困る
3 道路使用のトラブル 「みなし道路」なのにセットバックしないブロック塀の撤去を要求できるか?
4 隣地使用のトラブル 下水道への排水管、低地であるお隣の地下に埋設したいが…
5 境界線のトラブル 隣地に境界から25センチにビル建設。わが家に「目隠しを作れ」と要求を
6 境界線のトラブル 数十年前から境界にある生垣に文句。公図によると隣家侵食というが…
7 マンション建設で
住民とトラブル
マンション建設が住民の反対で留保。役所に損害賠償を請求できるか?
8 日照権のトラブル 建築確認がおりたのに、日照被害があると、工事の変更要求が

なにかと文句をつけたがるお隣。法律はどんな規制をしているのか?
円滑な近所づきあいのための6つの規制がある
 
  1. 隣地使用権
    境界線の近くで建物を建築したり修繕したりする場合に、自分の敷地内だけではそれができない場合に、隣地に立ち入りを求める権利。
  2. 自然流水の承水義務
    隣地より自然に流れてくる水を妨げてはならない。
  3. 人工的排水工作物の禁止
    土地の所有者はただちに雨水が隣地に注ぎ込むような工作物を設けてはならない。
  4. 境界に関する相関関係
    「界標」については、隣地者と共同の費用で設けることができる。「囲障」についても、費用は折半で、協議が整わないときは高さ2メートルの板塀、または竹垣となる。
  5. 枝と根の侵入
    隣地の木の枝や根が塀を越えて侵入してきた場合、民法では次のように規定してる。
    まず、枝については、隣地の人にその枝を切ってもらうよう要求することができる反面、こちらで勝手にきることはできない。
    次に、根については、境界を越してきた部分の切り取りを認めている。
  6. 境界近くの建物建築、目隠し、日照等
    本章の5,8を参照してください。

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「みなし道路」なのにセットバックしないブロック塀の撤去を要求できるか?
ただちに行政庁に連絡して、相手を説得してもらうのがベスト
 

建築基準法で原則として、「道路」とは幅が4メートル以上のものと規定されています。それ以前の狭い道路も新しく家を建て直すときは、4メートル以上の道路となるようにセットバック(道路の中心線から2メートルのところに道路境界線があるものとみなし、そこまで建築物をバックさせること)を義務付けています。

「みなし道路」(昭和25年11月当時に建築物が立ち並んでいる幅が4メートル未満の道)も道路ですから、建築物(ブロック塀含む)または敷地を造成するための擁壁は、道路に突き出して建築してはなりません。

ただちに行政庁へその事実を知らせ、まずは行政庁の手で相手に説得してもらうのがよいでしょう。それでも相手がやり直しをしなかったり、行政の対応が不十分である場合には、ブロック塀の撤去を裁判所に求めることもできます。

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下水道への排水管、低地であるお隣の地下に埋設したいが…
損害の少ない場所・方法を選んだら、公共性の面から改良工事は認められる
 

隣地間の紛争処理で大切なことは、周りの状況がどうなっているか、お隣に迷惑をかけることがやむを得ない状況にあるかどうかです。

民法220条によれば、高地所有者は低地に汚水処理を通過させることができるとなっています。しかし他方では、低地のために損害の最も少ない場所と方法にしなさいとも書いてあります。

ところで、お隣さんは、反対側の公道に流すよう主張しているようですが、下水道法施行令によりますと、下水を流すには百分の一以上の勾配が必要ということです。そうすると反対側の公道に流すためには、かなり大がかりな設備を要しますし、もともと下水の排除は自然流下が望ましいのですから、お隣さんの言い分は少し無理だと思います。

ちなみに、下水道法でも土地所有者等は、一定の要件の下に下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備を、他人の土地に設置することができる旨定められています。公共性の観点からも、あなたの改良工事は認めてあげるのが当然ということになるでしょう。


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